兄貴は最後の瞬間、その瞳に何を映したんだろう。



夢もあったハズ。

頭が良かった兄貴の事だ。

将来の略図を描き、レールを自らの手で引く。

俺とは違い、その力は十二分にあった。



しかし好きなバイクに跨り、何か足跡さえ残す事なく、兄貴は逝ってしまった。


大事なバイクだけをこの世に残してーーー