俺の兄貴、山下 雅美は8年前に事故で亡くなった。


18歳。

高校3年の夏に、その短い人生を終えて天国へと旅立ってしまう。



俺は、小学4年。

突然の出来事に、当時は兄貴が死んでしまった事を理解できていなかった。


夕方になれば、いつもの様に玄関を開けて帰ってくるんではないかと。

帰ってくる事のない兄貴を待って、よく玄関先を眺めていたことを思い出す。