そう、

俺が必死こいて、バイトしている理由ーーー

それは、弘兄が全てを握っていた。



「早くしないと、
雅美のバイク、俺が乗るぞ。」

悪戯っ子っぽいいつもの笑みを浮かべ、弘兄が笑う。



そんな弘兄との付き合いも、10年目。



ーーー弘兄は、

8歳年上の、俺の兄貴の友人だった。