「巧!
大丈夫か?」


窓の外。

光に満ちた世界に吸い込まれていた俺は、准のその崩れそうな声に引き戻された。


「巧?」

「あ、あぁ。」


ドア際に、ソッと遠慮しがちに祥子さんは佇む。

准の呼びかけに曖昧に答えながら、祥子さんをただ、見つめていた。