祥子さんに背中を押され入った病室は薄暗く、千尋の手元のライトが付いているだけだった。


薄闇に浮かぶ千尋の姿。

真っ白のベッドに身体をうずめて横たわり、小さな寝息をたてている。


一番最初ーーー

あの線路道で千尋に出会った時と同じ、そのセルロイド人形を思わせる整えられた小さな顔を、静かにジッと見つめた。