こんなに怒ってしまった母さんの気持ちを、変えることはもう出来ない。

だけど、それ以上に俺のバイクに乗りたいという気持ちも強かった。


兄貴と同じ風に乗りたいーーー



涙が溜まって真っ赤になった母さんの瞳を見ながら、小さくそう呟く。

「兄貴みたいに、遠くに行ったりなんか絶対しない。
だからーー」