「亮さんは絶対に勝ちます!」

「じゃあこの賭けは成立でいいのか?」

「はい!」

「ちょ……花梨!」

「よしじゃあ明日。小湊、彼女が言ってんだ。成立だな」

こうして幸助たちは帰っていった。

「花梨!」

びくっと揺れる花梨の肩。

「なんでこんな勝手な事したんだよ!負けたらお前……」

「ごめんなさい……でも、あのままじゃ亮さんが弱いみたいだったから……」

はぁっとため息を大きくつく。

「まったく……」

「無理……なの……?」

「無理なわけないだろう。勝つさ、もちろん。でもそのかわり……」

すっと亮の指が花梨の顎にかかる。

「俺が勝ったら……お前を奪ってもいいか?」

1度赤くなり考える。

そしてゆっくりと頷く。

「勝つさ。絶対に……」

亮は花梨を抱き締め呟いた。