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『随分、長い月日が経った。
俺は時折、きみのことを、思い出す。
こうしてきみに手紙を書こうと思ったのは、気まぐれかもしれないね。
今は、大学で勉強しながら幼稚園のアルバイトみたいなことしてます。ほんと毎日うるさくて、口だけは達者なガキばっかりで手におえないけど。
きみは、今どうしているんでしょうか。
空から見上げてる?それとももう、生まれ変わっているのかな。
きみを思い出すたび、胸が張り裂けそうになるときもある。
でも、後悔だけはしてない。
きみと逢えたことを、きみを好きになったこと。
全部、大切な時間だった。
逢いたいと、思いました。
今すぐにでも逢いたいって、思いました。
でも、きみはもう、ここにはいないから。
自分も前に進もうと思う。
きみのいない、この世界で、それでも前に進んでいこうと思う。