白い手紙は、何枚にもわたって書かれていた。俺は、その手紙が机の奥底にしまってあること思い出して、慌てて家に戻った。

机の引き出しをひっくり返して、何枚何十枚にもわたる手紙を一枚一枚、読んでいく。



「ぁ、う……っっく、うう……っ」


手紙を、握りしめた。

なんで、なんで、なんで、なんで、なんで俺はっ。


なんでシキを忘れたんだよ!!


することなんて、もうわかっていた。

俺はふらふらとした足取りで、立ち上がる。ドアを開けようとした、そのとき───夕雨が、立っていた。


「行くの?」


彼女は、口を開いた。


「ねえ、行くの?」


夕雨は、俺の様子から何が起こったのか理解したらしい。夕雨は、賢いから。きっと、今の今まで自分のしてきたことを、思い出せなくても推測くらいはたれられる。