手紙を裏返した、そこには、うっすらと読み取れないほど消えかかってしまいそうなほど透明な、文字。 『スイへ。 シキより』 シキ。 シキ、シキ。 頭を殴られたような衝撃に、俺は言葉が出なかった。シキ。そう、シキ。シキだ。 彼女が、シキ。 そう、思った瞬間───何かがぶわっと溢れ出すのを感じた。 俺の、探していた人。ずっと、心の中で泣き続けている、彼女だ。