『逢いたい』




「……うわ、俺青春煩悩かよ」


書いていて恥ずかしくなった。

一度消してしまおうかと思ったけれど、やめておいた。窓、冷たいし。


俺はそのままくるりと方向を転換して、いつものように空き教室にお邪魔します。

机が積み上げられた場所に少しだけ隙間が空いてた。俺はそこに腰を下ろして、ぼーっと教室を見渡す。ここが、一番落ち着く。ゆっくり目を閉じた。





───何かが、頬を触れた気がした。





それは、温かなものではなく、冷たい手のひらのような感触。それは心地が良くて、俺をゆっくりと闇の世界へ導くような、優しい冷たさだった。