汗が噴き出す。息が乱れて、俺は霞む片目を押さえながらよたよた歩いて、また停止する。



「……俺は、もしかしてその日、」


訳もなく、涙が滲んだ。

もしそうだとするのなら、俺は泣く資格なんて1ミリもないのに。

そんなのって、そんなのって……ない。

それじゃあ俺は、シキに逢う資格なんてないじゃないか。
シキに笑いかけてもらうことも、シキと一緒にいる資格も、ない。


シキの隣にいるたびに、彼女を何度も、何度も、何度も、何度も傷つけて傷つけて、傷つけて。





「───シキと、一緒に……いた……?」







ばん、と音がした。

心の中で何かが破裂したみたいな、大きな音が。