〜side高野勇士〜


「はぁ〜」

わざと、あいつ・如月美桜見せるために知らない女からの告白を聞いたのに、あいつは平然としてるしさ、とんだ無駄足だった気がする。
まぁ、別に告白をみて俺を好きになるわけでは、ないか…

（でもさ、あいつ聞いてたよな…）

それさえもわかんなくなってきた俺だった。

「はぁ〜」
俺は、もう一度ため息をついた。

ーため息ばっかりしちゃダメよ、ため息は災いの元なんだからー

「・・・」

そう言えば、いたな。そんな奴が…
俺は、あいつのおかげて、好きと言う気持ちがわからなくなった。

「・・・あいつも同じなのかな」

思い浮かぶのは、如月の顔だった。
そして、もう一人、俺がはじめて好きになった女だった…


俺は、誰にも言いたくない過去を持っている。それは、如月も同じのような気がした…