バッ

再び目を開けると、天井があった。そして、隣には高野が寝ていた。

(夢…だったんだ)


暗くてもう二度と見たくない悪夢をみた


でも、現実にはちゃんと高野がそばにいてくれた。

「た…勇士ありがと」


だれにも聞こえないようにつぶやいて、高野の頭を触った。


(そばに、いてくれた)


嬉しさで、いっぱいだった。

ーあんたのせいよ!ー


突然また、いやなことを思い出してしまった。

(高野に言ったら、どうなるのかな…)

高野のことをずっと見ていると、高野は目を覚ました。

「う…如月!
大丈夫か⁈」

私を見るなり、混乱していた高野を笑ってしまった。

「ぷ…大丈夫だよ。
そばにいてくれてありがとね」

自分の、そのまま、思ったことを口にしたら、高野が驚いていた。


「・・・お前って、そんなに素直だったっけ」

そんな高野を見て、また笑がこぼれた。

「・・・高野」