高野は、優しいから…


「おい、大丈夫か…」

「へ⁈」

なぜか、告白の後は心配をされてしまっ た。

「やっぱり、迷惑だよなごめん」

(違う、なんでそんなこと言うの、べつに迷惑じゃ…)

心で思っても声に出せなかった。でも、私がこう思っても高野にはずっと悲しい顔をさせていた。

「…なんで、迷惑じゃ…ないよ」

声が震えてしまった。

「じゃあ、なんで泣くんだよ!」

「…え!」

高野に、言われてはじめて自分が泣いてるのに気づいた。
頬を触って見ると、指が濡れていた。

(…どうして、泣いてるの…)

自分でも、わけがわからなかった。

「…ごめんな」

(どうして、高野が謝るの)

もう、声も出せずにいた。

そして、高野が去ろうとしていた。

(待って。 行かないで。私を一人にしないで。私、高野のことが…)

ここでやっと、自分に対する高野の気持ちがわかった。

(私、高野のこと…好きなんだ)

そう考えている間も高野は、私の前から去ろうとしていた。

(お願い。高野、行かないで!)

バタンッ
高野の背中をつかもうとしたら、急に意識が飛んでしまった。