それからと言うもの、さつきが監督になって厳しく演技指導をされた。
「美桜!
なんと言ったらわかるの⁈
そこは、もっと悲しいと言う表現でやるのよ」
「は…い」
(さつき、厳しすぎる。いつものさつきじゃないよ)
「そして、高野君は棒読みはやめてよ」
「ん〜」
高野はそっぽをむいてしまった。
それを見たさつきは、
「もう、放課後二人で練習‼︎」
「え〜、なんでよ‼︎」
私が反対したけれど
「なんか、文句でも⁈」
と、こっちを睨みながら言ってきた。
「いえ、なにも…」
私は、さつきが怖くて反対できなかった。そして、高野はと言うとそれを見て笑っていた。
「なに笑ってるのよ」
「いや、別に(笑)」
私にはそう言ったけど、まだ笑っていただから、私は高野の上履きを思いっきりふんだ。
「いっ!」
ニコッ
「どうしたの、高野君⁇」
「お前な〜『イチャついてないで真面目に劇をしなさいよ!』…」
高野が言いかけたとき、またさつきの怒鳴り声が聞こえた。