「…わかってるよ…。」


「…は?」


「わかってるよ‼︎‼︎
いつまでもっ…ハルばっかじゃダメだってわかってる…っ!」


叫ぶと思わず涙が零れた。


「みんなのことも大好きよっ…。
大切だよっ‼︎‼︎
けどやっぱり離れられないんだもんっ…‼︎」


ポロポロと涙が零れる。

するといつになく優しく頬を撫でられた。


「…悪りい。
分かっては…いるんだ。
お前がそう思ってくれてることもわかってる。
ゆっくりで、いいから。」


その手を濡らす涙に、どれだけこいつは罪悪感を受けているというのだろう。

まるで腹を刺されたときのような苦しそうなその表情。


「…甘いよ、あんたは。
謝らないでよね、何も悪くないんだから。」


ニッと笑ってみるけど、その眉間の皺がなくなることはない。

手を伸ばしてぐにぐにと眉間を揉んでやる。


「んだよ。」


フッと笑ってくれたので少し安心する。


「ごめんね。
ちゃんと、しっかりしなくちゃね。」


「…お前が素直だとキモいな。」


「ぬあっ⁉︎」


いつもの調子に戻ったこいつに、いつものように軽くパンチを入れる。


…こいつの優しさに何回助けられるんだろう。