ディスプレイの中には、二種類の天使がいた。
男の子と女の子。

それを見極める為には、二種類の天使が手に持っているアイテム。

男の子と思われる天使は、手におもちゃの車を持ち、女の子と思われる天使は、手にくまのぬいぐるみを持っている!!


可愛い!これ欲しいなぁ~
そう思った時、工が私の物欲しそうな目を見て訊ねてきた。


「美桜、これ欲しいのか?」


「うん!これをお揃いの物にしたい!」


「分かった!じゃあ俺が意地でも取ってやる!」


「工はクレーンゲーム得意なの?」


「得意ではない
あまりやらないから…」


「え…もし取れなかったら…」


「大丈夫だ!安心しろ
俺は本番に強いからな」


工の瞳がうるうるしている。
本当は本番に強くなんかない…

だってお金を入れようとしている手が震えているよ?


私はそっとその震えている工の手を、優しく握った。