「工…
キスミッション来ちゃったね」


「あぁ」


一つ溜め息を交えながらも、なに食わぬ顔で私にキスをした。


それと同時に鳴り止むピーピーピーという腕時計の音。


「工どうしたの?
何かあった?」


「ちょっと気分が優れなくて…
でももう大丈夫だから」


「嘘ばっかり!
何でそうやって嘘をついてまで、無理するの?」


「それは…
美桜を楽しませたかったから
美桜を笑顔にしたかった!ただそれだけだ

俺は本当に大丈夫!
それよりプリクラ撮ろうぜ」


「工…
辛くなったら、ちゃんと言ってね!
絶対に約束」


「分かった」



気分が悪い表情を私には一つも見せずに、プリクラ機にお金を入れる工。


私が困った顔を浮かべば、工も困った顔を浮かべる。


私がニコッと微笑めば、工もくしゃっと微笑む。



じゃあ、私が泣いたら工も一緒に泣くの?
同情するの?


そうじゃないよね…





私工に甘えてばかりで、自分では何も成し遂げていない。



私にだって出来ることがたくさんあるよ?



だって私は、将来立派な看護師になる夢があるから!