「ごめん、俺すぐ美桜の元に戻るつもりだったから
美桜を置いていったんだ
というか、美桜があんなに足が遅いとは思わなかったが…」


「ひどいよ、工…
もう少し工が来るの遅かったら、私…あの人達に連れてかれてた

私、怖かったんだから」


「本当にごめん」


「もういいよ!
それより転んでいた子供どうしたの?」


「うん、俺が抱き起こしたら泣き止んで、その子の親が迷子になったって!必死に探してたみたい

再会できて良かったよ

俺心底ホッとした」


「それなら良かった!」


「美桜を守れなかった俺がこんな事を言える立ちじゃないけどな」


「工は私を助けてくれたよ!
私をちゃんと探し出してくれたじゃない」


「いや違う
俺はアイツらと面と向かわないで逃げたんだ!」


「そんなことない
私を助けた工、本当にかっこ良かったよ」


「本当か!?
ありがとうな、気を遣ってくれて…」



私、気を遣ったつもりなんてこれっぽっちも思っていない。


なのにどうして工は、悪い方向に捉えるの?