「ねぇ、工?」


「どうした?美桜」


「私のこと…どれくらい好き?」


「世界中花で埋まるくらい好きだ!
美桜は?」


「優しいお父さんと同じくらい好きだよ!」


「お父さん、いないんだろ?」


「うん…私が中学生の頃、がんで亡くなったの」


「実はな、一つ言い忘れてたんだが…
俺さ、生まれつき体が弱くて、入院してた時期があったんだ
その頃、里中圭司って言う人に会ったことがある

もしかして…美桜のお父さん?」


「うん、そうだよ!
何か話したの?」


「確か、俺には君と同じ歳頃の娘がいる
とっても可愛いんだ!
もう会えないのは寂しいが、この一枚の家族写真を大切に持っているって言ってた

俺はただ頷くことしか出来なかった」


「そうだったんだ…
お父さんは、離婚した後も私達家族の心配をしてくれていたんだね!」


「当たり前だろ!
心配しない親なんていない
確率は0じゃねぇけど…」


「うん!」




お父さんは、工のことに気づいていたのかな?
あの時に会った子供だって…



ずっとがんと闘いながらも、私達家族の写真を見て、一人で頑張っていたんだね・・・


私もたくさんお父さんの傍にいられたら良かった。



伝えられなかった想いもたくさんあるし、大好きだって言いたかった。






恋愛合宿最終日になれば、自分の想いを伝えられる時が来るんだね!




もしかしてこの恋愛合宿には、まだまだ私の知らない赤い運命の糸で繋がっているのかも?





もし、この糸が途中で切れてしまったら…
と考えると胸が締め付けられるくらい痛むだろう___