その日の六時間目。

ふと窓のほうを見ると
雲行きが怪しかった。

私は自転車通学なので
雨が降ると、だるい。

『雨降らないでほしいなあ。
このまま、この天気だと
いいんだけど』

そんな事を心の中で思っていた。

学校が終わり、駐輪場に向かう。

よかった、雨は降っていない。
さっきと同じく雲行きは怪しい。

早く帰ろう。




『ただいま…』

家に着くと、だれもいなかった。
癖のように一人ただいまとつぶやいた。


ザァァァァァ…


『雨…』

玄関のドアが閉まると同時に
雨が降り始めた。

偶然…だろう。