――は…………………っ
「零!!」
零の名を叫ぶ。
白い天井にパステルカラーのドットがついている、白い壁。
私は白い天井に、手を伸ばす。
しかし、ここは、ベッドの上。
背中に、ふわふわした感触がある。
さっきのは夢………?
夢、だね。
零が、夢でしか会えないって言ってたから、さっきのは夢。
「まだ気持ち、伝えきれてないよぉ………………。」
はは、と薄笑いしか出ない。
せめて、もう一回会えれば……………!
でも、もう零と会えない。
気持ちを伝える事が出来ない……………………!!
「零…………。零…………。
れ……お……………。」
また、涙が溢れる。
会いたい。
零に、会いたい。
ずっと一緒にいたい―――――――――……!!
「やば…………、早く学校行かなきゃ。」
涙をパジャマの袖で拭う。
パジャマを脱ぎ捨て、中学のセーラー服に着替える。
青に白いラインが入っている、リボンが特徴的。
どこにでもありそうな、普通の制服。
私は机の二段目の引き出しから、零の遺品の腕時計を取り出した。
その腕時計に、
「いって来るね、零。」
と、笑顔で言い、キスを落とした。
「えへへ。」
何だか、零本人にキスをしたみたいで、恥ずかしいけれど。
今は、その恥ずかしさより、悲しさの方が多いんだ。
「楽しんで来るね。」
誰もいない、部屋にそう告げ、リビングへ向かった。