綾の瞳から一粒の滴が流れ落ちた。


綾の口がパクパク動いている。


何かを話したいのだろうが、

なかなか声が出ないらしい。


もう、

昨日までの『友達』という毎日には戻れない。


だけど、

それでも良い。

俺は言いたかったんだから。


「しゅ…修君…?」


やっと声が出せるようになったみたいだ。


俺の心はすごく爽やかで軽かった。


「ん?」

俺は笑顔で綾のほうを向いた。


「え?」


俺は、

綾の言葉が信じられなかった。


「私も修君のこと好き。」


その言葉を聞いて、

俺は嬉しくなって、

綾に抱きついた。


今の気持ちに正直に。


今したいことをしよう。


そう思って行動した、

何てただの言い訳か。


それでも、

俺は嬉しくて綾に抱きついた。