綾のさっきの言葉で、

俺は綾にも病気のことを話してしまおうかと思った。


だけど……


まだ綾には、

病気のことは内緒にしておこう。


綾と、

こうやって話し合ってられる時間が

少しでも長く続いてほしいから……。


「わかった!じ
ゃぁこれからやってこっか?」


綾がそう言って、

鞄から筆箱を取り出して、

作業を始めた。


「ありがとう!マジ助かる!」


俺は、

綾にそう言ってから作業を始めた。


綾と話しながら、

仕事をやっていると、

大変な仕事も楽しく感じた。


俺、

やっぱり綾のこと好きだ。


俺の心の中でそれは確かなものになっていった。


そして、

1時間もしないうちに、

数人の生徒が入ってきて、

いつの間にか二人だけの時間は終わってしまった。