「いい曲だね。」


俺は、

すごく穏やかな気持ちになった。


「でしょ!?
綾も大好きなんだ~」


綾には悪いけど、

せっかく貸してくれたCDの

曲を聴いているのよりも、

綾の声を聞いている方が嬉しかった。


曲はサビの部分を過ぎて、

終わりに近付いてきた。



「そこ!!」


「!?
……急にどうしたの!?」


「私、
そこの部分大好きなんだ」


「そうなんだ~俺も好き」


この日は音楽を流しながら

いろいろなことを話した。



音楽の話とか、

学校の話とか、

とにかくたくさん話した。



綾と話していると、

時間はあっという間に過ぎていって

いつの間にか遅くなっていた。