本の内容は、
恋愛小説だった。
今を生きようと、
自分らしく生きようと必死になる少年。
いくつもの壁を乗り越えて、
明日を目指していく。
懸命に今を生きようとする
その姿にとても感動した。
そんな悲しい物語だった。
そして何より……
その本の主人公の少年に
自分が重なって見えてしょうがなかった。
俺は、
涙を拭いて部屋を出た。
リビングに向かい、
一つだけ残された夕飯を食べ始めた。
家族はもうみんな寝てしまったみたいだ。
もう夜遅いし、
当り前か。
一人で夕飯を食べるのは
珍しいことではなかったが、
今日はすごくさびしく感じた。
俺は、
夕飯を食べ終えると
お風呂に入った。