綾の笑顔を見て、

俺もなんだか嬉しくなった。


「じゃぁさ、
昨日のやつ見た?」


「昨日の…?
見た見た!!
出てたよね!このCDの曲歌ってたよね」


「うん!
CDとは少し違った感じがして、
すごい良かったし!」


「だよね~!」


綾とすごい話があって

本当に嬉しかった。


これから、

楽しい日々が始まりそうだ。


そんなふうに思った。


井上先生が入ってきて、

朝の会が始まった。


そんなことはお構いなしで、

綾は俺にずっと話しかけてくる。


「読書の時間だぞ。」


とうとう言われてしまった。


綾は、

机の中から一冊の本を取り出し、

読み始めた。


俺は読む本を持ってくるのを忘れたから、

教室の中を見回していた。


窓の外を見てみると、

桜の花びらが散り始めたいた。