そして翌週の休日の昼に、

綾の母親は

綾の部屋に行った。


手にはあの

封筒を握りしめて。


「綾、入っても良い?」


そう言ってからすぐに、

部屋の扉があき、

綾が部屋に招き入れた。


「どうしたの?お母さん。」


「綾に話したいことがあるの…。」


やっぱり、

まだ迷う気持ちも、

言いにくい気持ちもあって、

言葉がなかなか進まない。


「うん。」


真剣な表情で、

綾が見つめてくる。


「ちょうど5年前のことなんだけど…。」


ゆっくりと

修が封筒を持ってきた

ときのことを話し始めた。