「お母さん。 あたし行ってくるね。」 玄関の所から、 そういう声が 聞こえてきた。 「いってらっしゃい。 気をつけてね。」 「じゃぁ、行ってきます!!」 そう言って、 玄関の扉を開けて、 出て行った。 明るい朝日が 町を照らし、 外では挨拶する声が 聞こえてくる。 鳥の鳴き声や、 車の音も 静かに聞こえる。 綾の母親は、 古い封筒を持って、 ソファに座っていた。