今までより

更に増した頭痛が

頭の中を

埋め尽くしていき、

体は全身

重くなっていた。


指の先から全部、

俺の体じゃないみたいな、

そんな感覚だった。


呼吸が苦しくなってきて、

荒い息遣いをしながら、

家族に声をかける。


「…ありがとう……。」


「修兄っ…!!」


目に涙を溜めた翼が

俺にしがみついてくる。


でも翼の俺に言う言葉は

遥か遠くにあって、

もう聞くこともできなかった。


「…頑…張れよ……。」


小さく小さくなった力を

振り絞って、

かすれた声で

翼に言った。