その思い出の中でも、

俺の病気のことは

変わらなかった。


病気は少しづつ

進んでいき、

最後の綾の姿が

目に映る。


すべての思い出が

頭を通り過ぎた後に、

最後に

一枚の写真が浮かんだ。


一輝と朋樹と、

奈央と未紀と、

そして綾と俺。


6人で行った

旅行の時の写真だった。


みんな笑顔で…。


まだ俺が

綾のあの泣き顔を

見る前の光景。


本当に

心から笑っていた。