静かだった……。 車の中も。 俺の心の中も。 何も感じないほどに、 心の中は静かで、 空っぽになっていった。 見慣れたいろいろな物がある 広い広い部屋…… 脳の中の、 記憶の部分。 そこにあるものが、 薄れていく……。 楽しかった思い出も、 音が消えていく……。 そしてまた… 心は静かになっていく…。 「学校の前を通っていってほしいんだ。」 車に乗って、 荒い息をしながら 俺は言った。