「わかった。
ラップかけとくから。」


翼はそう言って、

俺のもとから

去っていった。


体がいつもより

何倍も重く感じた。


だるさが

体を包み込んでいく。


「そうだ…まだ……。」


重たい体を引きずりながら

机に向かった。


机から紙を取り出した。


ペンを握り、

目を閉じた。


まだ

やらなきゃいけないことが…。


俺にできることは

全部やっておきたいから…。


…綾……。


何度も何度も

呼んだ名前。


何度も何度も

考えた。


全部…。