俯いた顔をあげれなかった。


帰り道も。


家に着いてからも。


家の扉を開けた時に、

家族の声が聞こえた。


「おかえり。」


返事する気力なんて、

少しも湧いてこなかった。


俺は自分の部屋に向かった。


部屋の扉を閉じて、

ベットの上に倒れこんだ。


枕に顔を押しあてて、

ただ黙って泣いた……。


「修兄、ごはん食べないの?」


部屋の扉越しに

翼の声が聞こえた。


返事、

できなかった…。