教室を出て、

少し暗い廊下を歩く。


がしゃがしゃと、

みんなの鞄の音が聞こえる。


みんなの足音も。


外では、

風の吹く音がしていた。


そんな音を聞いている時に、

一人の女子の

話す声が聞こえた。


「綾はどうすんの?」


綾の友達の声だった。


「どうするって?」


「鈴木のこと!!
鈴木と今見たいには、
会えなくなっちゃうんじゃないの?
それでも良いの?」


前を向いて歩いていたけど、

心は完全に

後ろの二人の会話の方にいっていた。


「良いも何も。」


「会えなくなるの、寂しくないの?」