大切な思い出たちが、

まだ頭の中に残っていてくれて

嬉しかった。


どれも忘れたくない

思い出たちだったから。


みんなが、

支度をしているところを

俺はぼーっと見ていた。




本当はずっと一緒にいたかった……。



思い出があるから、

別れたって大丈夫。


そんなの綺麗事でしかなかった…。



ひとりでだって、

前を向いて歩いて行ける。


そんなの強がりでしかなかった……。



そんな風に思っているとき、

どんっと後ろから押された。


「うわっ!!」