俺は廊下に座って

窓の外の景色を眺めた。


いつもと全然変わってない。


葉っぱのない木たちが

寒そうに並んでいた。


「鈴木、入ってこい。」


井上先生の呼ぶ声がして、

俺は教室に入って行った。


「修!!」


「学校サボるなよ〜。」


友達の声が聞こえてくる。


「悪ぃ悪ぃ。」


俺はそう言いながら、

教卓の前に歩いて行った。


「驚くかもしれないが、
ちゃんと聞いてほしい。
このたび、鈴木修は
イギリスの学校に転校することになった。
今日でお別れだそうだ。」


いつもの表情で、

いつもの口調で

話す井上先生。