「わかった。」


そう言ってから

二人の足音が聞こえた。


鉄の扉を開く音がして、

少しだけ風の音が

聞こえた。


「屋上についたけど、
何で奈央や綾、未紀には……」


一輝がもう一度

そう言おうとしたのを

かき消すように

俺は話し始めた。


俺の病気の進展、

それと新しくわかったこと。


俺にはもう、

時間がないってこと。


そして、

俺がこれからすること。


全部、

全部包み隠さず話した。


俺が話している間、

一輝と朋樹は

何も言わずに

聞いてくれた。