「俺、部屋戻った方がいい?」
秀兄はノートパソコンをたたんで言った。
「あ、良いよ!俺の部屋に行くから。」
俺はそう言って、
綾の手を引いて
部屋に入って行った。
リビングで秀兄は
コーヒーを飲みながら言った。
「修もいつの間にか大人になったもんだな。
昔は泣いて俺にくっついてきてたのに。」
ふっと息をもらし、
小さく笑った。
「これじゃ俺、親みたいだ。
親の気持ちってこんな感じなのかな。」
秀兄は昔のことを思い出しながら、
懐かしそうにそう呟いていた。
俺は部屋の電気をつけて
携帯とカメラを机の上に置いた。
「綾も適当に座っていいよ。」
「ありがとう」
綾はそう言って
俺のベットに座った。