俺は本当に嬉しかった。


俺が俺として、

綾の心からの

本当の笑顔を見たのは

どれくらいぶりだろう?


前までは

当たり前の様に

あったことも

今となっては

奇跡にも近いもので、

それがこんなにも嬉しいと

感じられるなんて。


今まで『最悪の存在』としか

思っていなかった病気にも

少しだけ感謝ができた。


もし俺が病気になっていなかったら、

こんな何気ないことで

幸せを感じることなんか

できなかったと思う。


だから俺はこの病気に

少しだけ感謝をした。


本心を言ったら、

ずっと俺のままで

ずっと綾のことを

想っていたい。