一歩分の差もなかったが、

惜しくも俺たちではなかった。


一輝は二位。


リレーが終わり、

俺たちが一輝に声をかけると、

一輝は悔し涙を流していた。


「一輝超すごかった!」


クラスのみんなが

声をそろえてそう言ったが、

一輝は


「ごめん。ごめん」


と謝り続けるばかりだった。


「俺のせいで最後の体育祭、
一位取れなかった。」


一輝は何度もそう言っていた。


一輝はそう言ってはいるが、

あのリレーでの

一輝の活躍ぶりは

文句なしのものだった。


最後の体育祭は

悔しいものになってしまったが、

最高に良い思い出となった。