「行っけ~!!」


俺が叫ぶと、

朋樹は一気に加速し、

トラックを走っていく。


あっという間にバトンは

アンカーへと回ろうとしていた。


どのクラスもほとんど差がなく

バトンがアンカーに手渡された。


一輝がバトンを渡されたのは

四番目だった。


それでも一輝は全力で走りだし、

前方の三人との差を

ぐんぐん縮めていく。


「やっぱ一輝は早えな~!」


朋樹の言葉に

俺は全くを持って共感した。


各クラスの

アンカーたちを相手に

あんなにも走れる選手なんかいない。


俺は一輝を

尊敬せずにはいられなかった。


三位、二位の選手を追い抜き

一輝は一位の選手に迫っていく。


少しづつ縮まる差-


俺たちは手を合わせて祈った。


『一位を!頑張れ一輝!』


選手がゴールラインを越えた。


一位のクラスは……