「俺の夢?」


「うん。
聞きたいな。」


綾は笑顔で

俺に言ってくる。


俺はうつむいた。


俺の夢のことを

綾に話そうかどうか迷った。


もう一度綾を見ると、

俺の迷いは消えていった。


綾になら話しても大丈夫。


そう思えた。


「絶対笑うなよ?」


「笑わないよ。」


綾は真剣な顔をして、

俺の目を見つめてきた。


「俺の夢は…
作家になることなんだ。」


「作家?
すごいじゃん!
でも、どうして作家なの?」


「俺が俺として
生きた証を残すため……
それに……。」


「それに……?」


綾は真剣な表情のまま

俺に聞いてきた。