「鈴木は大きな誤解をしているみたいだ。
大人だって完璧な人間じゃない。
一人ではできないことだって
たくさんあるし、
大人だって周りの人の支えが
あってこその存在だ。
何でもすべて自分でできる人なんて
世界中探しても一人もいないぞ?
もしいたら、
そいつは周りの支えの存在さえ
気付かないほどの愚か者だ。」


井上先生の言葉を聞いて、

俺は少し安心したような、

心が軽くなるような

そんな感覚を覚えた。


「先生ありがとうございました。」


「私はただ自分の思っている
ことを言っただけだ。
お礼を言われるようなことは
していないぞ?」


俺は井上先生の返答を聞いて、

満面の笑みで

井上先生に言った。


「そんなこと言って
素直になれないと、
彼氏できないよ?
嬉しい時は素直に
喜べば良いのに!」


俺のその言葉に

井上は立ち上がり

俺に向かってきた。


「ほお~!
子供が大人に説教とは
偉くなったもんだなあ?
ん?鈴木!!」