俺は綾の隣に行き、
綾に声をかけた。
「帰ろ?」
俺がそう声をかけると
近くにいた一輝が返事をした。
「わかった。
奈央も帰るぞ?」
俺は一輝を見ながら言う。
「俺は綾に言ったんだけど?」
一輝は俺の言葉も聞かずに、
奈央と手をつないで
教室の出口の方に向かっていた。
教室の出口のところで振り返り、
俺たちに向かって言ってきた。
「あれ?帰らないの?」
その言葉に
俺は呆れた表情をして、
返事をした。
「二人で帰っていいよ。」
「そうか?サンキュ!」
俺の言葉を聞いて、
一輝は元気良く返事をすると
大きく手を振って
去って行った。