桜の木は綺麗なピンク色になっていて、

風でひらひらと舞う花びらが

本当にきれいだった。


俺の目の前にも

数枚の桜の花びらが舞ってきて、

俺はその内の一枚を手で掬いとった。


その一枚の花びらを見つめて思った。


「桜ってすごいな。
咲いてる時もきれいなのに、
落ちてくる時もきれいだなんて。」


俺がそんなことを言うと、

朋樹と一輝が不思議なモノを

見るかのような目で俺を見てきた。


「何だよ!?」


「いや……
今日の修、変だなって……。」


朋樹がそう言うと、

一輝は付け加えていった。

「うん……
何か言ってることが、
俺の家の裏に住んでる爺さんに似てる……」


そう言うと、

一輝の彼女の奈央がクスクスと笑いだした。