俺は朋樹の背中を押して、

早足に学校に向かって言った。


教室に入ると、

いつものように綾が俺に挨拶をしてくる。


「おはよ!」


「おはよう」


俺は、

綾にそう返事を返す。


そんな何気ない日常の一こまに

俺は幸せを感じていた。


綾と話していると、

時間がとても速く流れていくように感じる。


3時間目、

俺の嫌いな物理の授業だ。


俺は、

授業が始まると

教科書を少しだけ見てから、

うつ伏せた。


俺がうつ伏せてから10分くらいたった頃に、

肩をつっつかれていることに気がついた。


俺は、

肩の方に目をやった。


綾がシャーペンで俺の肩をつっついていた。


「何?」


俺は目をこすりながら

綾の方を見た。