彼と出会った体育館から移動して
教室へ。なんか席替えするんだって。

「瑠衣ー?さっきなんかあったの?」
「え?なんで?」
「なんか言ってなかった?式ちゅうに」

あ、やばい声漏れてた…

「なんも言ってないよ?」
「そう?空耳かな?次席替えだねー!」
「そーだねー!…」

うまく美奈をかわして思った。
「美奈…ごめんね」
話せなかった。あんな小さいころの話。

『ほらー、席つけー』

担任の先生の話。先生も一生懸命だけど私はそれどころじゃなかった。
雷くん…。わたしの小さいころの思い出
だったのに…。

『ま、というわけで席替えすんなー』

席替えはくじ。
私は…15…。窓側から二番目の一番後ろ
だった。

「瑠衣ー!席何番?」
「15ー」
「まじで!うち、13だよー!
瑠衣の前だね!」
「おっ!近いじゃん!」

とかなんとか言いながら席の場所に移動した。

「隣の人誰だろ!」
「美奈はしゃぎすぎでしょ」
「だってー」

『ここ16だよな?』

「うん、そーだけど…っ!」

雷くん?

「おっ!斜め後ろの人だね!
うち高村美奈!よろしくねー!」