なんだか俺はそのゲームがやけに欲しくなった。

「はぁ~…誰か持ってねぇかなぁ…」

辺りを見渡し、持ってそうな奴を捜したが、居そうにない。

「やっぱ持ってねぇよなあ…」

半分諦めかけ、予鈴がなるまで仮眠をとろうと、顔を伏せて寝る態勢をした。

そうしている内に段々瞼が落ちてくる。

もう少しで…という時に誰かにポンッポンッと肩を叩かれた。

「おっはよん♪たっくん♪」

その「誰か」はかなりのハイテンションのようで…

しかもたっくんて……はぁ…

こんなやつ一人しかいねぇか…。

しんどいながらも顔を上げる。

「やっぱりお前か。春樹」

不機嫌そうに言うと、あれ?機嫌悪い?と春樹は顔を覗かせる。

「顔近いんすけど」

そう言って春樹の顔を手で押し退けた。

「ひっでぇ!手で押し退けることねぇじゃん!!」

春樹はムスっとして俺を見る。